焼き芋の味を引き立てるおすすめドリンク──香りと甘さを引き立てるペアリングテクニック
■実はコーヒーと相性抜群!焼き芋×コーヒーペアリング

焼き芋はそのままでも十分おいしいですが、実は 飲み物との組み合わせで甘さの質や香りの深さが驚くほど変わる食べ物 です。
特にコーヒーは、香りの構造がよく似ており、品種によっては“ワインと料理”のような明確なマリアージュが生まれます。
ここでは、まず一般的な視点から「焼き芋と合うドリンクの理論」を整理し、
後半で、専門店いもぞうとして実際に提供しているペアリングをご紹介します。
■なぜ焼き芋とコーヒーは相性がいいのか──甘さとロースト香の共通点

焼き芋の香りは、焼く過程で起こる メイラード反応 によるもの。コーヒーの焙煎も同じ反応が主体で、どちらにも カラメルのような甘い香り・ロースト香・ナッツ様の香り が存在します。つまり両者は共通する香り成分を持っているため、“同調” する心地よさが生まれやすい わけです。
甘さ・苦味・香ばしさという三角形のバランスが取れると、焼き芋はより濃厚に、コーヒーはより丸みを帯びて感じられます。
■焼き芋×ドリンクの相性を決める3つの指標
焼き芋は、品種だけでなく“食感”や“温度帯”によって味わいが大きく変わります。
ドリンクを選ぶときは、この3つを参考にすると失敗しません。
① 甘さの強さ(濃厚/控えめ)
→ 濃厚なら苦味を合わせるとバランスが良く、
→ 軽めなら爽やかな香りと好相性。
② 食感(ねっとり/しっとり/ほくほく)
→ ねっとりは重厚な飲み物、
→ ほくほくは軽やかな飲み物が合います。
③ 温度差(温×冷の組み合わせ)
→ 甘さを強調したいなら「冷やし焼き芋 × ホットドリンク」
→ さっぱり食べたいなら「ホクホク芋 × アイスドリンク」
この3つの視点が理解できると、焼き芋の世界がグッと広がります。
■品種別:どんな焼き芋がどんなドリンクに合う?
では、実際にどんな飲み物があうのか、実体験に基づいてご紹介します。
● べにはるか(黒糖のような濃厚な甘さ)
→ 合う飲み物:深煎りコーヒー、スパイスドリンク、濃いめのミルク系
甘さの“厚み”が強いため、苦味やスパイスと相性がよく、デザートのような組み合わせに。
● ねっとり系全般(安納芋など)
→ 合う飲み物:深煎り~ミディアムコーヒー、
濃い甘さにはしっかり苦みやコクのある甘さと相性がよく、すっきりとした後味に。
● シルクスイート(軽やか・なめらか)
→ 合う飲み物:浅〜中煎りコーヒー、香りが優しいハーブティー
甘さが軽いので、ドリンクにもマイルドさが欲しいところ。
● 栗系(くりかぐら・紅こがねなど)
→ 合う飲み物:浅煎りコーヒー
栗のような味わいには、軽やかで香りが穏やかな飲み物がよく合います。このタイプのおいもにはうまみとともに若干の酸味がかくれており、この酸味が浅煎りコーヒーによく合います。
■ コーヒー以外に焼き芋と合うドリンクは?

実は焼き芋は、以下のドリンクとも相性抜群です。
- ほうじ茶(ロースト感が甘さと相性抜群)
- チャイ(スパイスの温かさが甘さを引き立てる)
- ハーブティー(香りのペアリングを楽しめます)
- ミルク系ドリンク(甘さを丸くし、デザート感が倍増)
■いもぞう店舗おすすめドリンクペアリング

いもぞうでは、コーヒーはお好みに合わせてダーク、ミディアム、ライトをご用意しています。甘さの度合いにより、甘さがつよいものにはミディアム~ダーク、軽めのものにはライトを合わせるとよく合います。
また、焼き芋の品種や甘さのタイプに合わせて、オリジナルの“相性のいいドリンク”をご提案しています。
◆ べにはるか × いもぞうラテ(べにはるか入りコーヒードリンク)
べにはるかの黒糖のような甘さ×ミルクのまろやかさ×しっかりしたボディに軽やかさもある自家焙煎エスプレッソ。糖類不使用なのにまるでキャラメルのようななめらかな甘さとコクが楽しめるいもぞうラテ。
いもぞうラテにはべにはるかが鉄板ペアリング。ラテそのものにもべにはるかを使用しているため、口の中で“甘さと香りがひとつにまとまる”体験ができます。
◆ シルクスイート× ほうじチャイ
ほうじ茶の香ばしさ × スパイスの温かみ × ローズの華やかさでほっとするオリジナルのハーブブレンドほうじ茶「ローズチャイ」にスチームミルクとはちみつを足した「ほうじチャイ」。
上白糖の上品な甘さを持つシルクスイートとの相性は抜群。シルクスイートのなめらかな食感にほうじチャイのやさしい味わいがベストマッチ。
◆ くりかぐら× ハーブブレンドほうじ茶「レモニー」
レモングラスがふんわり香り、軽い飲み口のオリジナルハーブブレンドほうじ茶「レモニー」。後味はほうじ茶のすっきり感があり、軽めの甘さの焼き芋全般に合います。
上白糖の上品な甘さを持つシルクスイートとの相性は抜群。シルクスイートのなめらかな食感にほうじチャイのやさしい味わいがベストマッチ。しっとり系〜ほくほく系まで幅広く合わせられる万能ドリンク。
特に栗系の焼き芋とは香りの相性がよく、爽やかな余韻が続きます。
■まとめ:焼き芋は“香りの相性”で何倍にもおいしくなる
- べにはるかなど濃厚甘さには、深煎りやスパイス系が好相性
- シルクスイートなど軽やかな甘さには、浅〜中煎りや香りの優しいお茶
- 栗系には軽やかな焙煎やハーブほうじ茶
- ねっとり全般にはホットコーヒーで甘さが引き立つ
この“風味の法則”を知っておくと、焼き芋の楽しみ方が格段に広がります。
そして、いもぞうではこの理論をベースに、品種に合わせたドリンクを店内でご提案しています。お気に入りの焼き芋が見つかったら、ぜひ飲み物との組み合わせも楽しんでみてください。
参考文献
- Maillard Reaction and Flavor Chemistry(食品化学研究)
- コーヒー焙煎における揮発性化合物の分析論文
- 焼き芋の糖変化に関する農研機構の資料
- Food Pairing 理論解説記事
